kyanonsanのブログ

若手会計士として日々の中で学んだこと等を記録するためのブログ

【読書ログ】コンサル1年目が学ぶこと 著:大石哲之 ディスカバー・トゥエンティワン

                                                      コンサル1年目が学ぶこと

  1. コンサル流話す技術
    • 結論から話す PREP法:結論(Point)⇒理由(Reason)⇒具体例(Example)⇒Point(結論の繰返し) この型を意識して、考えてから話し(書き)始める。
    • Talk Straight 端的に、Yes or Noをはっきりとさせる。
    • 世界共通言語である数字とロジックで話す
    • 相手に理解してもらえるように話す
      • 「相手は何も知らない」という前提で論理構成を考える
      • 相手の理解度を推量しながら話す 無言=無理解のサイン、相手のしぐさを観察して理解度を察知する
    • 相手の期待値を把握する
      • 相手の期待値以上の成果を常に出し続ける
      • 時には、相手の期待値のマネジメントも必要。また、期待値を満たせないものを安請負いしないことも重要。
    • 自分の期待値を伝える(指示を出すときのポイント)
      • その仕事の背景と目的
      • 成果物のイメージ
      • クオリティ
      • 優先順位・緊急度

  2. コンサル流思考術
    • まずは「考え方を考える」 仕事は次の順番で進める。
      • 大きな設計図を考え、合意を得る。
      • 設計図に基づいて、細部の作業を進める
    • ロジックツリーを使いこなす
      • メリットは論点の俯瞰・分析・課題の細分化ができる
      • 基本手順は以下
        1. 論点の整理・分解
        2. 各論点の数値分析
        3. 項目の優先順位付け
        4. アクションへの落とし込み
      • ロジックツリーの参考文献
        1. 『企業参謀(著:大前研一 ともに講談社)』
        2. 『問題解決プロフェッショナル「思考と技術」(著:齋藤嘉則 ダイヤモンド社)』
        3. 『世界一やさしい問題解決の授業(著:渡辺健介 ダイヤモンド社)』
        4. 『3分でわかる問題解決の基本(著:大石哲之 日本実業出版社)』
        5. 『イシューからはじめよ-知的生産の「シンプルな本質」(著:安宅和人 英治出版
        6. 『自分のアタマでかんがえよう(著:ちきりん ダイヤモンド社)』
    • 雲雨傘で提案する 事実、解釈、アクションを区別して報告する
    • 仮説思考
      • はじめに仮説を立ててからリサーチする。リサーチは仮説の検証作業。
      • ストーリーに沿ってあらかじめ調べるポイントを絞り込む。
    • 常に自分の意見を持って情報にあたる
      • ビジネス能力を向上させるのは、情報量ではなく考えること。
      • 自分の意見を持って初めて、学びの機会が生まれる
      • 本質を抽出し、磨き上げるために一段高い視点が必要
      • 参考文献
        1. 『想像力・空気はなぜ透明化(著:三谷宏治 東洋経済新報社)』
        2. 『なぜゴッホは貧乏でピカソは金持ちだったのか?(著:山口 揚平 ダイヤモンド社)』
      • 重点思考(20%:80%の法則を意識)するための参考文献
        1. 『得点力を鍛える(著:牧田幸広 東洋経済新報社)』

3.プロフェッショナル・ビジネスマインド

  • 時間はお金であると認識する

 

無駄な学びはない。最終的にはすべてが繋がっていくはず。

経営財務 No.3457 2020年5月18日号

 

【目次】

・監査等委員会設置会社の現状と今後の実務上の留意点(監査等委員会の視点から)

 

【監査等委員会設置会社の現状と今後の実務上の留意点】

 平成26年改正会社法で創設された監査等委員会設置会社制度は、本年で導入から5年が経過する。この間、当制度に移行した会社数は1,000社を超えており、これは当初想定を超えた数となっている。一方で、指名委員会等設置会社(当初は委員会等設置会社)は上場会社において現状でも80社程度に留まっている。指名委員会等設置会社を導入する会社数が伸び悩んだ背景としては、①指名委員会等の委員会が有する権限が強く、取締役会でも覆すことができないこと、②代表取締役の権限の源であった取締役の人事権と報酬決定権のイニシアティブを社外取締役過半数を占める委員会に委ねることへの抵抗感が強かったことが主因として挙げられている。指名委員会等設置会社の導入数が伸び悩んだ状況下で、監査役制度と制度間競争になり得る企業統治が模索され、創設されたのが監査等委員会設置会社である。

 

・Ⓐ監査役会設置会社、Ⓑ監査等委員会設置会社、Ⓒ指名委員会等設置会社の主な違い

取締役会議決権:Ⓐなし、Ⓑ・Ⓒあり

監査役等の選任議案への同意権:Ⓐ・Ⓑあり、Ⓒなし

任期:Ⓐ4年、Ⓑ2年、🄫1年

業務執行取締役の選任等への意見陳述権:Ⓐなし、Ⓑあり、Ⓒなし

監査役等の報酬決定:Ⓐ・Ⓑ株主総会監査役等の協議、Ⓒ報酬委員会

 

・監査等委員会設置会社の現状と実務上の留意点

公益社団法人日本監査役協会が2019年1月~2月にかけて実施したアンケート結果に基づくと、法的には必須ではない常勤者が各社平均1.04人(30.2%)おり、尚且つ社内出身の監査等委員の前職が、監査役であった員数が129名(30.9%)いる等、監査役設置会社監査役から横滑りで就任した監査等委員が一定数いることが伺える。これは、指名委員会等設置会社の監査委員の前職が監査役出身ではない実情と、大きく相違しているポイントである。

 その他、監査等委員会をサポートするスタッフが配属されている会社数の割合、当スタッフが執行部門との兼任スタッフである割合、内部監査部門の組織上の位置づけが社長直轄である割合は、監査役会設置会社の実態と類似していると言えるポイントが多い。

 

⇒色々な制度上のポイントがありますが、監査等委員会における監査等委員は、取締役として、取締役会議案に対する議決権がある、業務執行取締役の選任等に対して意見陳述権がある(⇒選任等に対する妥当性監査を実施する必要がある)点などが、従来の監査役会設置会社との違いとして特徴的なところでしょうか。また、内部監査部門との連携・専門スタッフの配置等において改善の余地があるというのは監査役会設置会社とも同様なんでしょうね。

⇒クライアントが監査等委員会に移行するケースが増えている中で、受験勉強中に委員会等設置会社(当時)制度が改正するやどうやでこの辺りの知識が薄い。。修了考査でも組織設計の問題が出てたような。答えられませんでしたが。。

 

 

 

経営財務 1月 メモ#1

【目次】

・会社計算規則を改正 会計監査報告内容見直し(1月13日号)

・『暖簾に腕押し 第1回』 わが社はIFRSを採用すべきか(1月13日号)

・SEC 監査人の独立性緩和(1月13日号)

 

【会社計算規則を改正 会計監査報告内容見直し(1月13日号)】

 「会社計算規則の一部を改正する省令(第54号)」が2019年12月27日に公布・施行された。改正内容は2018年7月・2019年9月に改訂された監査基準に対応して、会計監査報告書の記載内容を見直すもの。主な改正点は、①継続企業の前提に関する注記に係る事項を従来の追記情報項目から独立項目に変更、②限定付適正意見を表明する場合の当該理由記載項目追加、という2点。適用時期は2020年3月31日以後に終了する事業年度にかかる会計監査報告から。

 なお、四半期レビュー報告書に対しての改正適用は2020年4月1日以後開始する四半期会計期間等から。

⇒前期調書をコピペして更新したらしばかれるかも。。。

⇒KAMについては、当面は金商法監査のみみたいですが、会社法監査についても会社計算規則第126条第1項第1号の解釈で、任意適用はできるみたいですね。

 

【『暖簾に腕押し 第1回』 わが社はIFRSを採用すべきか】

 国際会計基準審議会(以下、IASB)全理事の欒地氏によるコラム。会計基準の選択に当たっては、説明責任が求められる。これは、IFRSを採用する企業だけではなく、日本基準、米国基準、(JMIS)採用企業のいずれにも当てはまる。そのためには、経理担当者だけでなく経営者自身も会計基準へ興味・関心を持たなければならない。単に会計基準の業績インパクトという近視眼的な見方だけを持つのではなく、資本市場のインフラという会計基準がもつマクロなバックボーンを踏まえての議論が必要。

IFRS移行に関連する報道や記事においては、営業利益の見え方であったりという筆者が言う近視眼的効果が語られることが多い印象があります。なぜIFRSなのか、なぜ日本基準なのか、IRで説明している会社を調べてみようと思いましたね。

⇒1度はIFRSへの移行を経験してみたいなと思っていたり。

 

【SEC 監査人の独立性緩和(1月13日号)】

 SECは独立性に重大な脅威を与えないような状況では、企業と監査人との関係について、制約を緩和する予定であると述べている。今後公開草案・意見公募が実施される予定。

⇒どのような内容になるんでしょうか。意外と日本の監査法人への影響が大きいかったりするかもという興味ありです。

 

 

経営財務No.3438 2019.12.23号 メモ

 【目次】

・海外会計トピックス ◆Big4がBig2になる?

監査法人のローテーション制度について

・時事談論 「補習所なんていらない」

 

【海外会計トピックス ◆Big4がBig2になる?】

 世界の会計事務所のうち、その規模から上位4事務所はBig4と呼ばれている。近年、これらの業績は順調である。

 トップを走っているのはDeloitte、次いでPwC。その他の2社、EY・KPMGも収益は増加しているが、上位2社から引き離されつつある。仮に、PwCが現状の成長率を維持した場合、向こう数年でBig4最下位であるKPMGの倍ほどの規模の大きさとなる計算になる。

 こうした状況や、将来への投資等も踏まえて、EY・KPMGは2019年のパートナーの報酬を2018年より以下のように引き下げている。

*EY:69万3千ポンド(約1億100万円)⇒67万9千ポンド(9,900万円)、▽2.1%減

*KPMG:69万ポンド(約1億円)⇒64万ポンド(9,300万円)、▽7.8%減

なお、Deloitte及びPwCのパートナーの平均報酬は、それぞれ88万2千ポンド(約1億2,900万円)、76万5千ポンド(1億1,200万円)。

⇒英国で会計スキャンダルが続いたことから逆風が吹くなどもしていますが、会計事務所業界はグローバルで見れば好調な業績のようです。にしても、パートナーの給与高いですねぇ。日本のパートナーだけで見れば違った状況なのでしょうが。。

 

監査法人のローテーション制度について】

 2019年10月25日に金融庁が公表した「監査法人のローテーション制度に関する調査報告(第二次報告)」について、議論の経緯を振り返るとともに、第二次報告のポイントを説明したもの。筆者は金融庁企画市場局企業開示課課長補佐高橋敦子氏。

 

*これまでの議論の経緯

 第一次報告では、①パートナーローテーションの有効性、②上場企業における同一監査法人との監査契約固定化の状況、③欧州における監査法人ローテーション制度の導入、についての調査結果を示した。それぞれの調査結果ポイントは以下の通り。

①過去の不正会計事案を振り返ると、結果的にパートナーローテーション制度は導入時に期待された効果を十分に発揮していなかった。

②上場企業における自主的な監査法人の交代は進んでいない。

③欧州で2016年から監査法人のローテーション制度が開始され、その効果についてはなお見極めを要するものの、制度導入による混乱はこれまでのところ見られていない。

 

*第二次報告の概要

 第二次報告の概要は大きく①パートナーローテーション等の実態調査、②監査法人の交代に関する実態調査、③海外の議論の動向、という構成。

①パートナーローテーションの実態調査結果

 第二次報告では、大手監査法人に対して、パートナーローテーション等の運用実態に関し、アンケート及びヒアリングによる調査を実施。調査の結果、いずれの監査法人公認会計士法のパートナーローテーションを遵守するようにシステム整備等の対応がとられていることが確認された。一方で、10年以上職員(監査補助者)として関与していた者が、引き続き業務執行社員に就任していた事例など、全体としてみれば相当な長期間にわたって同一企業の監査へ関与があった事例が特に事業規模の大きい監査クライアントにおいて見受けられた。

監査法人の交代に関する実態調査

 2013年以降、監査法人の交代があった企業の数は高い水準で推移しており、特に東芝事案後の2016年頃からは、それ以前が100件前後であったのに対して、130件前後で推移するようになっている。交代理由としては、グループ再編や会社規模の変化への対応と、監査法人からの監査報酬値上げ要請が契機となったものに分かれた。

③海外の議論の動向

 欧州議会経済金融委員会や英国の競争・市場庁によって取りまとめられた調査報告書が紹介された。特に英国においては、監査法人に対して監査部門と非監査部門の分離を求めるなどといった踏み込んだ内容が提案された。

 

⇒1月15日付の日経新聞で報道された通り、日本においては監査法人のローテーションが見送られました。一方で、監査補助者からパートナーに昇格し、特定の監査クライアントに関与し続けている実態については、制限を設ける改定が具体化されそうですね。

↓監査補助者のローテーション議論についての経営財務紹介記事と日経の報道。

 

【時事談論 「補習所なんていらない」】

 補習所が監査法人勤務者を受講者の前提として運用されている点、実務経験に基づいた、あるいは実務を模したような授業形式ではなく、基準・法律の座学中心である点(ペーパーワークの受験生であることを強いている点)、税理士登録する際に、研修・試験機会を別途設ければ税理士会への配慮が可能である点などを挙げて、現行の補習所運営に懐疑的な見方を呈している。

⇒補習所の考査・グループワークを経験してきた身としては、これらが契機となって勉強・基準への立ち返り・ほかの人の意見・経験の共有をしてきた側面もあるので、補習所に一定の意義があるのかなと感じています(まじめ)。ただ、指摘の通り、監査法人以外の勤務者にとっては参加が難しい日程が組まれたり、基準の丸暗記に終始することが必要な考査問題が出題されたりしていたとも感じるため、それなら相当なコストと時間をかけるのはいっそやめてしまえと思ったり。。CPE制度もあることですし、補習所が終わった後(修了考査後)の会計士人生の時間のほうが長く、基準・実務は絶えず変化する点も考えれば、何も最初の3年だけ特別に擬似学校を設けなくても。。ねぇ。。

 

 

経営財務No3437 2019.12.16号 メモ

【目次】

自民党企業会計小委 監査補助者のローテション等を議論

・残高確認手続の集約拠点が開所

・現行の制度開示への取り組みと一体開示についてーアンケート集計結果・傾向分析

 

自民党企業会計小委 監査補助者のローテション等を議論】

 2019年11月7日から12月5日にかけて、自民党が金融調査会・企業会計に関する小委員会の合同会議を開催。主な議題は、金融庁の「監査法人のローテーション制度に関す調査報告(第二次報告)」を踏まえた監査チームメンバーのローテーションに関する新規ルールの検討。

 金融庁による調査報告では、パートナーローテーションは遵守されていた一方で、パートナー以外のチームメンバーで長期間従事していたものが引き続きパートナーに就任した事例が一部で確認された。これを受けた公認会計士協会会長声明では、「社会的影響度が特に高い会社の監査」にあたっては、独立性規定の趣旨を十分に理解した上での本規定の確実な遵守を各監査法人・監査従事者に改めて求めていた。

 今回の小委員会での議論においては、「社会的影響度が特に高い会社の監査」に関して、その対象と「なれ合いが生じる恐れのある長期の関与」の年数を明確化する案が話し合われた。具体的に上がった案は、「時価総額おおむね5,000億円以上の会社で、関与年数を10年まで」とするもの。

→私が働いている法人でも、大規模な会社のチームになればなるほどメンバーが固定されていて、長期関与者が多い印象です。やはり、規模が大きくなればなるほど、会社理解にかかる時間や、クライアントとのリレーション構築、チームにおける諸々のルールの把握・運用に時間がかかり、どうしても長期関与者が求められるのでしょうね。監査法人ローテーション(導入されるかはさておき)なども踏まえると、「誰がやっても問題が無い」環境づくりをより意識していかないといけないのかもしれませんね。

 

 

【残高確認手続の集約拠点が開所】

 大手4監査法人が設立した「会計監査確認センター」の開所式が12月6日千葉市の同センターで行われた。残高確認手続について包括的なプラットフォームサービスを提供し、監査人の事務負担軽減を図る。将来的には、準大手・中小監査法人への利用、内部監査目的と言った様々な分野での利用拡大を目指す。

→効率化・共通化出来るところはどんどん集約していくことには賛成です。働き方改革や、リソース(人員)の適切な配分を推し進めるためには、業界全体での改革が不可欠になってきます。その中でこのような法人の垣根を越えたプラットフォーム作りは画期的だと思います。ただ、やはり以下のような懸念も持っています。(1)導入初期は事務的なミスをはじめ様々なトラブル発生の恐れ。(2)従来の手続を監査チームで行わなくなることによるスタッフ(特に低年次)へのOJT機会の減少。

 (1)に関しては仕方ない部分もあると思われます。したがって、クライアントへの丁寧なコミュニケーションが必要だなと感じる次第です。また、(2)については、上位者も運用は初めてな訳ですから、OJTの方法・時間を見直して、双方にとって効果的な方法を模索していかなければならないですね。。。

 

 

【現行の制度開示への取り組みと一体開示についてーアンケート集計結果・傾向分析】

 各企業での開示書類作成の実務状況に関するアンケート結果と前回調査(2016年1月~2月)から傾向分析。結果概要は以下の通り。

 

(1)スケジュールの観点から最も負担になっている開示

 会社法の開示書類や、有価証券報告書の回答割合が増加。決算短信・四半期決算短信作成要領等の改正後、速報性を重視した決算短信の簡素化が進んでいることが覗える。また、IFRS任意適用会社の増加により、有価証券報告書の回答割合が増加傾向にある。

   決算短信:27%(前回は36%)、会社法開示書類:42%(51%)、有価証券報告書:30%(13%)。

 

(2)法定開示書類の一体化について

 コーポレートガバナンス・コードにおいて求められる株主への適確な情報提供や、株主総会日程の適切な設定に必要な方策として一番多く挙げられたのは、法定開示書類の一体化であった(72%、複数回答)。諸外国においては、決算日から株主総会開催日までの期間が我が国より長く、また、比較的自由な様式での業績速報の公表や、法定開示書類の一本化がなされていることが多い。一体開示を行うとした場合の開示期間としては、決算日後70日程度とした回答が最も多かった(32%)。その他の回答は、決算日後60日程度:11%、決算日後80日程度:29%、決算日後90日程度:25%。連結子会社が大きい会社ほど時間を長く要請する傾向にあった。なお、第1四半期決算作業との重複や、役員の選解任、配当支払の時期、社内調整等を考慮すると株主総会日程の後ろ倒しは現実的には難しいとする意見も多く上がっている。

 

→開示書類の一体化実現されませんかね(有価証券報告書への一本化がいいな)。。。

ただ、その場合株主総会に際して提出される開示書類に対する監査人の監査が行われていない状況が起こりうるので難しいか。。結局、監査人サイドからすれば、株主総会の後ろ倒しの可否が繁忙期改革のネックになるんでしょうね。

経営財務No3436 2019.12.9号 メモ

【目次】

・子法人の欠損金利用緩和の可能性も グループ通算制度導入で想定される実務への影響

・IFRS16号「リース」の影響

・経営財務創刊70周年記念セミナー「会計基準改正とデジタル技術への対応を語る」

・時事談論「そんな監査人なら変えちゃえば?」

 

子法人の欠損金利用緩和の可能性も グループ通算制度導入で想定される実務への影響

 2020年度税制改正のテーマの一つが、連結納税制度の見直し。同制度に変わり、グループ通算制度の導入が検討されている。具体的には、完全支配関係にあるグループ企業間の損益通算は可能としつつ、各法人を納税主体とする個別申告方式とすることで、事務負担軽減を図るなど。同制度の導入に伴い、税効果会計に係る会計基準の適用指針等の改廃が見込まれる。

⇨時期や経済環境にも左右されていると思いますが、甘利会長が就任してから、自民党税制調査会に関する記事・注目度が増してきている気がします。個人的なところでは、修了考査以来税務知識のアップデートが弱くなっているので、今回の改正を機に関連基準のおさらいをしていきたいですね。この辺りは、今の実務だけじゃなく、将来にもつながりそうなので。

 

IFRS16号「リース」の影響

 2019年度から適用されたIFRS16号では、従来オペレーティング・リース(以下、OL)に分類されていたリースを含め、原則すべてのリースをオンバランスする。

 実務上のポイントとしては、注記対象外であったOL(解約可能OL等)のオンバランスに加え、リース期間の延長・解約オプションの影響を考慮することが挙げられる。したがって、従来のOL注記に記載されていた金額には延長オプション等が考慮されていなかったため、単純に従前の注記金額を足し合わせた金額が使用権資産計上額とマッチするわけではない。資産計上額算定にあたっては特に、解約オプションの行使・非行使が「合理的に確実」な期間を判断することが難しい論点となる。

 日本基準への導入にあたってはOL計上が注目されているが、実際にIFRS16号を適用している会社をみるとリース期間による影響も無視できないほど大きいことが分かる。

⇨OL計上だけに注目していましたが、解約オプションの行使をともなうリース期間という論点がここまで大きいとは思い寄らなかったです。

 

経営財務創刊70周年記念セミナー「会計基準改正とデジタル技術への対応を語る」

 税務研究会主催のイベント「ZEIKEN BRIDGE 2019」におけるパネルディスカッションのレポート。パネリストとして、日本CFO協会主任研究委員で公認会計士の中田氏、アズビル株式会社・山崎氏、王子マネジメントオフィス株式会社・西氏、日清食品ホールディングス株式会社・大島氏、富士通株式会社・坂口氏、三井住友海上火災保険株式会社・藤澤氏、楽天株式会社・國井氏が登壇。メインテーマは、収益認識基準(IFRS15含む)の導入、リース会計(IFRS16号)の導入、重要性の判断基準について。

⇨詳細な中身は割愛しますが、特に収益認識基準の導入にあたって、結論は変わらなくても、そこに至るまでの現場実務の洗い出しや、監査人に対する証明のプロセスに苦労されている点が印象的でした。私個人のイメージですが、登壇された方々が所属されている企業は、いわゆる大企業で、バックオフィスの能力・リソースも豊富なのだと思います。そういった会社であるからこそ、基準適用に正面から取り組んだ故の苦労もあったのだろうと思慮します。会計士として、このような会社実務担当者の立場まで踏まえた上で、あるべき処理を示していけるようになりたいと思った次第です。総じて、こういった会社側の実務に触れる機会が少ないので興味深く面白かったです。

 

時事談論「そんな監査人なら変えちゃえば?」】

 とある経営者が、上場にあたってお世話になった会計士への感謝と、監査法人交代を決意し、後任を見つけるまでに考えたことを振り返ったコラム。言及されていたのは、会社に興味を持ち、監査の知識と経験を持ち、技術的にも人間的にも共に精進していける監査人を探していたこと。また、監査人の手続が前年から細かくなったことに対して、単に「マニュアルが変わったから」ではなく、その手続が必要となった背景まできちんと説明してくれれば、会社としても変化の必要性に納得が持てるとのこと。会社も会計士のことをよくみているのだなと感じ、改めて身が引き締まるような思いがしました。

 

経営財務 No.3435 2019.12.2号 メモ

 

 

【目次】

会社法改正法案が一部修正で衆院通過、株主提案権の内容制限規定を削除

金融庁・金融審 新たな市場区分の方向性を示す、TOPIXも見直し

・その他

 

会社法改正法案が一部修正で衆院通過、株主提案権の内容制限規定を削除】

 11月26日、「会社法の一部を改正する法律案」および「会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」について、一部内容を修正したうえで衆院本会議で議決。主な修正点は「株主が、専ら人の名誉を侵害し、人を侮辱し、もしくは困惑させ、または自己もしくは第三者の不正な利益を図る」目的等による株主提案を制限する規定の削除。当該削除の経緯は、野党共同会派から「目的・内容に対する制限の判断基準に裁量の余地が大きく、企業側が恣意的に株主提案権を拒否して、株主の権利を不当に制約する恐れもある」などの指摘があり、これを与党が受け入れたため与野党共同での修正となったもの。

⇒例の野村證券の株主提案を始めとする、明らかに株主総会の議事進行を妨げる・合理性に欠く提案をどのように制御し、実りある対話の機会としていくのかをルールで規定していくのは思っているほど単純な論点ではなく難しい道のりですね。

 

金融庁・金融審 新たな市場区分の方向性を示す、TOPIXも見直し】

 金融庁が11月20日、「市場構造専門グループ」第5回会合を開催。市場構造の見直しのイメージとして「プライム市場」(仮称)の設置やその水準について提案された。また、TOPIX東証株価指数)については、市場区分の範囲を切り離した指数とすべきとされた。

 市場構造のイメージ

    ・プライム市場  :主に東証一部から構成

 ・スタンダード市場:主に東証二部、JASDAQスタンダードから構成

 ・グロース市場  :主にマザーズJASDAQグロースから構成

 

 プライム市場のコンセプトとしては、一定規模以上の流通時価総額だけでなく、流通株式比率の高さ、高度なガバナンス水準を備えることが挙げられた。

 TOPIXについては、現状「TOPIX=東証一部」となっているが、上記市場再編と併せて市場区分の範囲を切り離した新たな指数とすべきとされた。指針としては、市場の流動性をより重視した流通時価総額を中心とすることが挙げられた。

⇒普段の業務の中で、クライアントがどの市場に属しているか(東証一部なのか二部なのか)をあまり意識する機会はほとんどないのですが、クライアントによってはこだわりを感じたりします。背景としては、東証一部に属する(上がる)ことによって機関投資家の投資対象となり株価上昇につながることや、人材獲得、信用の確保につながるということがあるそうです。

 

【その他】

 今回の経営財務には、時価の算定に関する会計基準等の概要解説や、慶應の西川教授と多摩大学の木村講師の対談が掲載されています。こういうトピックスに触れるたびに現行基準の理解がまだまだできていないなと痛感します。特に『会計基準の考え方』は半分ぐらい読んでリタイアしてしまったままですね。。。

 

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