kyanonsanのブログ

若手会計士として日々の中で学んだこと等を記録するためのブログ

経営財務 No.3435 2019.12.2号 メモ

 

 

【目次】

会社法改正法案が一部修正で衆院通過、株主提案権の内容制限規定を削除

金融庁・金融審 新たな市場区分の方向性を示す、TOPIXも見直し

・その他

 

会社法改正法案が一部修正で衆院通過、株主提案権の内容制限規定を削除】

 11月26日、「会社法の一部を改正する法律案」および「会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」について、一部内容を修正したうえで衆院本会議で議決。主な修正点は「株主が、専ら人の名誉を侵害し、人を侮辱し、もしくは困惑させ、または自己もしくは第三者の不正な利益を図る」目的等による株主提案を制限する規定の削除。当該削除の経緯は、野党共同会派から「目的・内容に対する制限の判断基準に裁量の余地が大きく、企業側が恣意的に株主提案権を拒否して、株主の権利を不当に制約する恐れもある」などの指摘があり、これを与党が受け入れたため与野党共同での修正となったもの。

⇒例の野村證券の株主提案を始めとする、明らかに株主総会の議事進行を妨げる・合理性に欠く提案をどのように制御し、実りある対話の機会としていくのかをルールで規定していくのは思っているほど単純な論点ではなく難しい道のりですね。

 

金融庁・金融審 新たな市場区分の方向性を示す、TOPIXも見直し】

 金融庁が11月20日、「市場構造専門グループ」第5回会合を開催。市場構造の見直しのイメージとして「プライム市場」(仮称)の設置やその水準について提案された。また、TOPIX東証株価指数)については、市場区分の範囲を切り離した指数とすべきとされた。

 市場構造のイメージ

    ・プライム市場  :主に東証一部から構成

 ・スタンダード市場:主に東証二部、JASDAQスタンダードから構成

 ・グロース市場  :主にマザーズJASDAQグロースから構成

 

 プライム市場のコンセプトとしては、一定規模以上の流通時価総額だけでなく、流通株式比率の高さ、高度なガバナンス水準を備えることが挙げられた。

 TOPIXについては、現状「TOPIX=東証一部」となっているが、上記市場再編と併せて市場区分の範囲を切り離した新たな指数とすべきとされた。指針としては、市場の流動性をより重視した流通時価総額を中心とすることが挙げられた。

⇒普段の業務の中で、クライアントがどの市場に属しているか(東証一部なのか二部なのか)をあまり意識する機会はほとんどないのですが、クライアントによってはこだわりを感じたりします。背景としては、東証一部に属する(上がる)ことによって機関投資家の投資対象となり株価上昇につながることや、人材獲得、信用の確保につながるということがあるそうです。

 

【その他】

 今回の経営財務には、時価の算定に関する会計基準等の概要解説や、慶應の西川教授と多摩大学の木村講師の対談が掲載されています。こういうトピックスに触れるたびに現行基準の理解がまだまだできていないなと痛感します。特に『会計基準の考え方』は半分ぐらい読んでリタイアしてしまったままですね。。。

 

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